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プロ野球で唯一のストライキ 〜大きな壁に立ち向かった古田敦也〜

投稿日:6月 1, 2020 更新日:

こんにちは、transです。

この前、YouTubeで2004年に起きたプロ野球のストライキの動画があったので見てみました。
ストライキが起きた時は、筆者は、まだ子供で、近鉄とオリックスが合体して、新しく楽天ができた程度にしか思っていませんでした。

しかし、YouTubeで見た動画で、それには選手会と機構側との戦いや、大きな権力や闇がある事が分かりました。そして何より古田敦也選手(以下古田選手)の頑張りを知りました。

今回は、このストライキに関して書いていこうと思います。これについて知りたい人は読んでみてください。ストライキの流れを説明する途中途中で、筆者の意見も交えます。なので、プロ野球ストライキの流れを見つつ、筆者の意見も受け止めていただければ良いと思います。

それでは行きましょう!

 

1、ストライキのきっかけ

野球の画像

全ての発端は2004年6月13日に、大阪近鉄バッファローズ(以下近鉄)が財政難のため、これ以上の経営は厳しいと判断し、オリックスブルーウェーブス(以下オリックス)との合併を発表したことでした。

しかも、来年には合併したチームでスタートするということを発表しました。
これに関して、当時、近鉄の監督であった梨田昌孝氏も事前に知りませんでした。つまり、勝手にオーナー同士が決めて、勝手に発表したということです。

さらに、会見で近鉄日本鉄道の山口昌紀氏は上記の合併の理由は話しましたが、近鉄がなくなることに対する選手やファンへの謝罪はありませんでした。ファンや選手があってこその今まであったのに、、、

 

 

これに関しては1リーグ10球団構想が、大きく関与していたと筆者は考えています。さらに言うと巨人が大きな圧力をかけていたと思います。

今もですが、当時の巨人はとてつもない人気球団でした。常に試合は地上波で放送されていて、放映権料は1億円とまで言われていました。敵チームの球場で試合を行う場合は、放映権料は敵チームのものです。

そのため、他のセ・リーグ球団は放映権料によって経営を維持していた事が考えられます。つまり、パ・リーグもリーグを1つにすることによって放映権料を獲得しようとしたのです。ちなみに、西武ライオンズとダイエーホークスも合併し、10球団にしようとした様です。

ここからも分かるように巨人の力は絶大で他チームのオーナーは巨人のオーナーの言いなりだった事が予想できます。

1リーグ10球団制についてのことが、明るみになると選手たちは猛反発しました。当然ですよね。チーム数が減るということは仕事がなくなる選手が増えるということですから、、、

特に、近鉄の選手は猛反対しました。なんとか近鉄を残して欲しいと。

さらに近鉄の選手会長であった磯部公一選手が、選手会(プロ野球選手の労働組合)で言った

 

「裏方さんたちとかはどうなるんですか!」

引用:Wikipedia

 

という言葉は多くの選手会長の心を動かしました。自分たちのこと以前に、支えてくれている人に対する配慮がとても素晴らしい発言だと思いました。

この様なことを受け、プロ野球選手会会長である古田選手はオーナーたちとの話し合いを求めようとしました。

しかし、巨人のオーナーであった渡辺恒雄氏(以下渡辺)は

「無礼なこと言うな。分をわきまえなきゃいかんよ。たかが選手が。」

引用:Wikipedia

 

などと発言し、多くの反感をかいました。

当然ですよね? だって、選手あってのプロ野球ですよ。意味分からなくないですか?

この発言を受け、巨人の選手たちも立ち上がりました。

 

 

当然、話し合いの場を設けろという社員の意見(団体交渉権)を経営者側が放棄したので、団体行動権つまりストライキの権利は大いにあります。

しかし、プロ野球機構は、

「プロ野球選手会は、労働組合としては認められない」

という意味の分からないことを言っていました。

これに対して古田選手は、

「労働組合として認められているのに、何を言っているんですか?」

と当然の反論をしました。

 

 

さらに、近鉄の消滅を防ぐべく、球団をそのまま買収したいという人も現れました。それが、当時ライブドアの社長であったホリエモンこと堀江貴文氏でした。

オーナーは変わりますが、近鉄は近鉄です。これで、2リーグ12球団を維持できると思われました。

しかし、またも渡辺が

「金を払えばいいということじゃない」

と発言し出しました。

その言葉を、そっくりあなたにお返ししたい。渡辺が、逆指名やFAという制度を作りました。

なぜか?

それは、巨人に金で良い選手を入れるためです。逆指名なんて人気な球団に行きたいはずです。FAなんて、より高い年俸の球団に行きたいはずです。さすがに逆指名は無くなりましたが、FAはまだあります。最近は巨人以外の球団にも良い選手が移籍しているので、まぁFAは良いとは思いますが、、、

 

 

この様な事態を受け、選手会は7月10日に臨時集会を開き、

 

①近鉄とオリックスの合併を1年間延期すること

②もし、合併となった場合、2005年シーズンから新球団の加入を認めること

③さらに合併となった際に近鉄とオリックスの選手の移籍は本人の意思を尊重すること

 

などが決められました。

 

さらに、これが守られない場合、ストライキを実行することが話し合われました。

そして、8月12日に全ての組合員の投票の結果、ストライキの権利を獲得しました。

ここまで、選手会の行動を書いてきましたが、何がすごいって、この様なことをやりながら試合に出てますからね(笑)。特に、古田選手は法律などのことは、当然全く分からなかったので、深夜までカラオケルームにこもって勉強していたそうです。その中で3割を越える打率を残していますから、凄すぎますね。

 

 

また、翌日の8月13日に巨人の渡辺らが、当時のドラフトの目玉選手であった明治大学の一場靖弘選手に栄養費代として100万円以上の現金を渡していることが判明し、辞任しました。

ん? さっき誰かが「金を払えばいいということじゃない」って言ってたような(笑)。

まさか、それを言った人が金で選手を買おうとしてないですよね(笑)?

これはストライキ問題からの逃げだと思います。正直、現金をこっそり渡すのは色々な球団がやっていると思います。しかし、このタイミングで明るみになるのは、わざとであるとしか考えられません。これに巻き込まれた一場選手は、かわいそうです。

さらに渡辺は辞任後、会長に就任します。そして、実質的に変わらない権力を持ち、以前と変わらない振る舞いをします。

は、やばくね(怒)。

 

 

ストライキの権利を得た選手会は、9月6日に臨時集会で決めた要求が受け入れられなかった場合に、9月11日以降の土曜日と日曜日の試合をストライキすることを決定しました。ちなみに、土曜日と日曜日を選んでいるのは全球団に試合があり、全球団一斉にストライキすることに意義を見出したからの様です。

もちろん、ファンには迷惑をかけることを承知で、申し訳ない気持ちもありながら選手会は決断したはずです。

 

これを受けて巨人の球団社長の桃井恒和氏は、

「2試合ならカバーできるが6試合やられたら(公式戦は)なしになると思う。 優勝は決められない。」

引用:Wikipedia

 

と発言しました。

 

普通に意味分からないですからね。試合も100試合以上やってきて、しかもオーナーたちの事情でストライキが起こるのに優勝がなくなるなんて!

これは当時、首位を走っていた中日に対して言っていることであるのは明らかでした。絶対、巨人が首位であったら同じことは言っていないと思います。さらに、就任初年度で落合博満監督(以下落合監督)は優勝がかかっていました

 

しかし、落合監督は、中日の選手会長の井端弘和選手に、

「選手会として、徹底的に戦ってこい。優勝や日本シリーズがなくなってもかまわない。世の中にはそれ以上に大切なことがある。」

引用:Wikipedia

 

と素晴らしい言葉をかけました。

まじで、落合監督カッコ良すぎます。選手のことを第一に考えています。落合監督の凄さは、また別の記事にしようと思いますので、ご期待ください。

この落合監督の言葉は、ストライキ実行を後押ししました。

 

 

2、ストライキの実行

ストライキの画像

 

選手会がストライキ実行しようとしていることを受け、9月9日と10日に、プロ野球機構がようやく話し合いの場を設けました。

話し合いは、一応妥結され、9月11日と12日のストライキは回避されました。

しかし、話し合い終了後の会見で、プロ野球機構側は「できる限り12球団にします。」というような曖昧な回答を続けました。

これに対して古田選手は「近鉄は残すんですよね」とすかさず発言し、反論しました(さすがです)。

このようなこともあり、会見を行ったプロ野球機構側の瀬戸山隆三氏が握手のため手を差し伸べましたが、古田選手は無視しました(当然です)。

 

 

ストライキ騒動の一方で、ライブドアに続いて、楽天が参入を表明していました。

しかし、プロ野球機構側は

新規チームが参入するのには準備の時間が足りないため、2005年シーズンは11球団でやる

というような考えを改めよとしませんでした。

よっぽど、1リーグ10球団にしたかったんでしょうね。増やすのは時間がかかるが、消すのは一瞬なのはおかしいですよね? せめてそれなら、新しいチームができるまで近鉄とオリックスの合併を凍結するべきですよね? どんだけの圧力がかかっていたのか想像もつきません。

 

球団を設立してきた専門家である坂井保之氏は「2ヵ月あれば十分新球団は作れる」と言っていました。さらに後述しますが、実際に2ヵ月ほどで新球団を作ることができました。グラウンドは今あるところを使えばいいですし、ユニホームや首脳陣の契約くらいしか必要なものはないと思います。

 

そして再び9月16日と17日に選手会とプロ野球機構側との話し合いが始まりました。

以下のようなことが話し合われたと予想できます。

 

選手会側

①近鉄とオリックスの合併を凍結できないのならば、新球団を2005年シーズンから参入させて欲しい。

②近鉄の選手に関しては、自由契約扱いにし、新球団か合併チームに行くかは選手の意思を尊重して欲しい。

 

プロ野球機構側

①近鉄とオリックスの合併を凍結できない。新球団は2006年シーズンから参入させる。

②近鉄の選手に関しては、合併球団に25人加えて、残りの選手は分配ドラフト(残りの10球団でドラフト)する。

 

まず、来シーズン11球団になったら試合の組み方なども混乱します。特にパ・リーグが混乱します。今さらですが、セ・リーグの古田選手中心となって必死にパ・リーグの選手を救うのは凄いことだと思います。また、合併球団に強制的に入れられる選手の気持ちを全く考えていません。

また、分配ドラフトによって他の球団に行った選手はいつ戦力外になるか、分かりません。そのシーズンは条件として所属させ続けないといけませんが、それ以降は球団の自由です。

このようなプロ野球機構側の無茶な要求は、どうせストライキできないだろうという驕りがあったのだと思います。

 

当たり前の条件を出す選手会と無謀な条件を出すプロ野球機構側の交渉は、交渉時間の期限になっても決着がつかず、さらに2時間の延長をしました。しかし、合意にはいたらず、9月18日と19日にストライキが決行されることになりました

 

このあと、ストライキ決行が決まった同日の9月17日のすぽるとに古田選手が出るのですが、

ストライキを支持する 361767 票

ストライキを支持しない 12032 票(多分組織票や悪ふざけ票)

という圧倒的ストライキ支持や視聴者からの温かいメッセージに号泣します。

当然ですね。シーズンも終盤に差し掛かった中でのストライキ。これは、ファンに申し訳ない気持ちがあるなかで、選手を守るために決断したことです。しかし、ファンもこのことを理解し、応援してくれています。

そして、「このメッセージに対して、どうですか」という三宅アナの質問に古田選手は涙が止まらず、声も出ませんでした。

これに対しての三宅アナの「十分です」という言葉がとても印象的です。このすぽるとの動画は見たい人が多くいると思うので、下にリンクを貼っておきます。

 

「ストライキ決行。古田敦也選手会長生出演(2004.9.17すぽると)」

 

 

さらに、ストライキを受け、社会人野球の強豪チームであるシダックスの志太勤一氏が

「シッダクスならユニホームやグラウンドなど全て揃っているから、新球団として2005年シーズンにでも参加できる」

と最終手段的な意味で参入が可能であることを言及しました。

 

これによって、さらに新球団設立の可能性が広がりました。志太社長さすがです!

 

 

 

3、新球団設立

新しいスタートの画像

9月22日と23日に3度目の集団交渉が行われました。

そして、来シーズンから新球団を設立して12球団で行うこと、合併球団か新球団のどちらに移籍するかに関しては、近鉄とオリックスの選手の意思を極力尊重することなどをプロ野球機構側が約束し、一応ではありますが、一連の問題は終結しました。

 

そして、ライブドアと楽天の競合の末、楽天がオーナーとなり新チームを設立することが決まり、10月29日に東北楽天ゴールデンイーグルス(以下楽天)を設立しました。今思うとライブドアではなくてよかったですね(笑)。

 

また、楽天には、ストライキの中心であった磯部公一選手らが自主的に加入しました。

さらにドラフトで平石洋介選手が加入しました。当時、ルーキーであった平石選手が楽天で監督も務めることになるのは何か感慨深いですよね。

他にも、合併球団オリックスバッファローズにプロテクトされていた岩隈久志選手(以下岩隈選手)も、合併球団の入団を拒否し、楽天に加入しました。

この岩隈選手が楽天に行ったことに対して、自分勝手だという意見もありますが、そんなことはないと思います。オリックスバッファローズか楽天の選択肢から選んでいますからね。この球団に行きたいと言っているわけではないので、、、

 

ある程度戦力がそろった楽天でしたが、戦力外やルーキーなどの寄せ集めのチームであったため、新設した2005年シーズンには38勝97敗1分と大敗を喫してしまいます。しかし、歴代の監督や選手たちの努力もあり、2013年に見事優勝を飾ります。

一方で、合併によって戦力を大きく補強したオリックスが、合併してから一度も優勝できていないことは何ともいえない気持ちになりますね。

 

以上がプロ野球唯一のストライキから新球団設立までの流れです。

 

 

4、〜まとめ〜

みなさんは、この記事を読んで何を感じましたか?

 

古田選手の努力によって、今のプロ野球が保たれました。古田選手がプロ野球を守ってくれたのです。これは、野球だけではなく、勉学も一生懸命やっていた古田選手だからこそできたことだと思います。

長嶋茂雄さんや松井秀喜さんに、国民栄誉賞が贈られていますが、古田選手にも贈られるべきであると思います。

 

そして、選手とファンが勝ったように思えるこの戦いですが、近鉄バッファローズとオリックスブルーウェーブスという2つの球団が消えたことを忘れてはいけません。渡辺をはじめとする多くの権力者が2つの球団を潰したのです。

筆者は力がある立場になっても、下の人間の意見に耳を傾けられる人間を目指します。

 

最後に、大きな壁に立ち向かった古田選手をはじめプロ野球選手会の皆様に感謝の気持ちを述べて終わりにします。プロ野球会を守ってくれてありがとうございました。

 

今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

「参考記事:プロ野球ストライキーWikipedia」

-スポーツ

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